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7/18更新
こんにちは!脳卒中リハビリセンターMOMOKAの沖野です.
今回は,『脳卒中リハビリテーションにおける栄養補給の重要性~ビタミン編~』です!
参考文献:National Library of Medicine「Nutritional Supplementation in Stroke Rehabilitation: A Narrative Review」
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9833461/
上記報告の内容は以下の通りです.
【ビタミンBについて】
- ビタミンB群は脳機能において重要な役割(セロトニンやドーパミン,ギャバを作るために必要な栄養素)を果たしており,ビタミンBレベル(血清ビタミンB12レベル)は脳卒中後の機能的転帰と関連している可能性があると報告.
- in vivo(生体内試験)および in vitro(試験管内試験)マウスモデルを使用した脳卒中病理におけるビタミンBの研究では,ビタミンBとコリンが機能的な脳卒中の回復を効果的に促進したことが報告.
- 別の動物研究では、ビタミンBが脳虚血ラットの学習および記憶機能の回復を促進することが示された.
- アルメイダらは,273人の脳卒中患者を対象にビタミンB補給と脳卒中後うつ病との関係を研究し,ビタミンB補給はプラセボを投与された参加者よりも大うつ病の危険性が低いことを発見.
【ビタミンDについて】
- ビタミンDは,神経筋,神経保護,骨保護の役割を果たす.
- グプタらは,ビタミンD欠乏症またはビタミンD欠乏症患者の虚血性脳卒中に対するビタミン Dおよびカルシウム補給の効果を調査.良好な転帰(修正ランキンスケールスコア0~2)と生存率は,サプリメント群の方が対照群よりも高かった.
- サリらは,ビタミンDの補給により活動レベルとバランスが改善されたと報告.ただし,運動機能や歩行は改善されなかった.
- Torrisiらによる別のRCT(ランダム化比較試験)では,ビタミン D の補給が脳卒中後の自立とうつ病に影響を与えることを発見.
【ビタミンC・ビタミンEについて】
- 急性虚血性脳卒中患者の抗酸化能力にプラスの効果をもたらすことが実証.
- しかし,脳卒中回復に対するビタミンC補給の効果は,遡及的症例対照研究(疾病の原因を過去に遡って探そうとする研究)でのみ調査されており,ビタミンC補給は脳卒中患者の機能回復を促進しなかったと報告.
結論
ビタミンBとビタミンDは,脳卒中後の感情や機能にプラスの影響を与える可能性がある.しかし,研究が不足しているため,脳卒中後の機能回復のためのビタミン補給について最終的な結論に達することは不可能.
いかがだったでしょうか?脳卒中後遺症の回復におけるビタミン補給の効果に関する研究はまだまだ不足しているようですが,ビタミンB群やビタミンD群を十分に摂取することで,脳卒中後の感情や身体機能にプラスの影響を及ぼす可能性が示唆された内容でした.
ビタミンBを多く含む食材は,レバー,納豆,卵,うなぎ,豚肉,マグロ,カツオなどが挙げられます.
ビタミンDを多く含む食材は,鮭,サンマ,ブリ,真あじ,卵,きのこ類などが挙げられます.
また,ビタミンDを体内で生成するには,日光浴(紫外線を浴びること)が有効で,歯や骨を強くする作用があるそうです.1日15~20分の日光浴が有効と言われています.
リハビリの効果を少しでも高めたい方に,参考になれば幸いです.
沖野
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