脳卒中リハビリセンター
小金井のリハビリ施設
営業時間 | 9:00~18:00 ※日・祝日を除く |
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アクセス | 〒184-0004 東京都 小金井市 本町4-1-1 小金井ハイツ105 JR武蔵小金井駅 徒歩8分 駐車場:2台有 |
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2024/9/17更新
脳卒中後に起こる「痙縮(けいしゅく)」は、筋肉が過度に緊張し、伸び縮みが難しくなる状態です。この状態は、手や足の動きを制限し、痛みを伴うことが多く、日常生活に支障をきたします。脳卒中後の患者の約30~80%がこの症状を経験し、リハビリテーションにおいて重要な課題となっています。
痙縮は、患者本人にとってだけでなく、介護者にも負担をかけるため、その治療法が注目されています。特に、筋肉の硬直を改善することで、運動機能を回復させるためのリハビリが不可欠です。
振動療法は、体に振動を与えて筋肉や神経に刺激を与え、痙縮を軽減する治療法です。この治療には、全身振動療法(WBV)と局所振動療法(LMV)の2種類があります。
振動療法が痙縮に効果があるかを検証した複数の研究を分析した結果、振動療法が筋肉の緊張を和らげ、痛みを軽減する効果が確認されました。特に、手や腕の痙縮に対して顕著な改善が見られました。
この研究では、12件のランダム化比較試験(RCT)が対象とされ、主な評価は「痙縮の軽減」「痛みの軽減」「運動機能の向上」「歩行能力への影響」でした。その結果、振動療法は痙縮の軽減に効果的であり、痛みを和らげることも確認されました。
一方、歩行能力に対しての効果ははっきりしておらず、歩行機能の改善に関してはさらなる研究が必要とされています。
全身振動療法(WBV)と局所振動療法(LMV)は、いずれも痙縮の軽減に有効でしたが、局所振動療法の方が若干効果が高いとされました。これは、局所振動療法が特定の筋肉に直接働きかけるため、痙縮のある部位に対してより集中的な治療ができることが理由と考えられます。
しかし、全身振動療法も体全体に刺激を与えることで、特定の部位にとどまらず広範囲に効果を発揮します。特に、上肢だけでなく下肢にも効果を期待できるため、どちらの治療法を選ぶかは、患者の状態やリハビリの目標に応じて決定するのが望ましいです。
振動療法の効果を最大限に引き出すためには、適切な治療の頻度と時間が重要です。研究によると、1回の治療よりも複数回の治療を行う方が効果的であり、1回あたり30分程度の治療が最も効果的であることが確認されています。
振動療法は、脳卒中後の痙縮や痛みを和らげ、運動機能を改善する有効な治療法です。特に短期間での効果が期待でき、副作用も少ないため、リハビリの選択肢として考慮する価値があります。治療法の選択や適切な振動の種類については、医師や専門家と相談しながら、個別のニーズに合わせた治療を行うことが重要です。
【参考文献】
Zeng et al. "Effects of vibration therapy for post-stroke spasticity: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials." BioMedical Engineering OnLine (2023)
〒184-0004
東京都小金井市本町4丁目1-1
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駐車場:1台有
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