脳卒中リハビリセンター
小金井のリハビリ施設
営業時間 | 9:00~18:00 ※日・祝日を除く |
---|
アクセス | 〒184-0004 東京都 小金井市 本町4-1-1 小金井ハイツ105 JR武蔵小金井駅 徒歩8分 駐車場:2台有 |
---|
2024/7/8 更新
こんにちは!脳卒中リハビリセンターMOMOKAの沖野です。
今回は、『脳梗塞・脳出血の後遺症に対するリハビリについて〜ボバースコンセプト編〜』です。
リハビリの方法で良く聞くことのある、「ボバースコンセプトとは何なのか」について記述してみたいと思います。
ボバースアプローチとはカレル・ボバース医師とその夫人のベルタ・ボバース(理学療法士)によって考案された中枢神経疾患(脳卒中片麻痺や脳性麻痺など)に対するリハビリの概念です。『概念』とあるように、ボバースアプローチは『方法論』ではなく、リハビリに対する『考え方・思考の枠組み』を意味しています。
①姿勢コントロール・制御
もともとクライアントは身体を動かす潜在能力を持っていると考えます。
姿勢の崩れが筋の緊張を高め、動かしにくいパターンになっていると捉えます。
そのため、座位・立位・臥位の静的姿勢や歩行・リーチ動作における姿勢の変化を重要視し、
姿勢のコントロールを改善することで、身体の動かし方をより効率的なものにしようと考えます。
②感覚入力
身体の状態がどうなっているか(=Body Schema,身体図式)をクライアント自身が知る・認知することが良い運動に繋がると考えます。
視覚や平衡感覚、表在感覚、触覚などの感覚情報を小脳、視床レベルへ積極的に入力し、姿勢制御の学習を行うことを大切にしています。
③タスク(課題設定)
目的のことを指します。「何のために」・「どういう理由で」リハビリを受けたいか。
個別に、その人にとっての課題・問題はどこにあるのかを考えることを重要視しています。
その患者にとってのタスクは何なのかを深堀りして考えていくことが大切。
例えば、『ご家族と一緒に買い物できるように、歩くスピードを早くしたい。』のか、『散歩で歩く距離が長くなると、麻痺側の足が疲れてきて、つまずきやすくなるから、歩行の持久力を高めたい』のか。
歩行1つとっても、クライアント1人1人によって、その目的が異なります。
そのため、リハビリ介入前より、クライアントへのヒアリング(聴取)を入念に行い、その方に応じた環境・課題設定でリハビリを進めていく事が大切という捉え方をします。
ここからの内容は、私自身の経験則によるボバースコンセプトの感想になります。
私が理学療法士になりたてだった1〜2年目の頃、脳卒中の方に対してどのようなリハビリを行えば良いのか分からず、整形疾患(骨折など)のリハビリと同じような、ストレッチや筋力トレーニングを行っていた時期がありました。「足腰に筋力がついて、関節の動かせる範囲(関節可動域)が広がれば良くなるだろう』という安直な考えです。
ただ、入院中の脳卒中の患者様の経過をみてみると、足腰の筋力や関節の可動域が改善しても、歩行や立ち上がり動作の改善にはイマイチ繋がらない。
治療結果に繋がらないことが悔しくて、提供しているリハビリの質に自信が持てず、悩んでばかりの日々を過ごしました。
そんな中で出会ったのがボバースコンセプトでした。
参加したボバースの研修会で、講師の先生が受講生の目の前で患者様のセラピーを行い、患者様が感動して泣いてしまうほど状態が良くなっていく。
驚きなのが、講師の先生がアプローチしているポイントです。歩行を改善する目的なのにアプローチする箇所は体幹や肩甲骨など、一見関連の無さそうな箇所を選択されるのです。そして見事に歩行が改善する。
何が起きているのか理解出来ないが、動作が劇的に改善していくさまを目にして、「これは魔法か何かか!?」と衝撃を受けたのを覚えています。
そして、ボバースコンセプトを学んでいく決意をしました。
そして現在、まだまだ進行系でボバースコンセプトを学んでいる身ですが、ボバースコンセプトを学び始めてから、患者様の動作がかなり改善するようになった実感があります。患者様からのお喜びの声も多く頂けるようになり、とても嬉しく思います。
ボバースコンセプトはあくまでも介入アプローチ概念の1つであり、それがリハビリの全てという訳ではないですが、脳卒中後遺症の動作を改善させていくヒントを多く秘めていますし、セラピストが1度は学んでみるべき価値のある概念であると感じています。
〒184-0004
東京都小金井市本町4丁目1-1
小金井ハイツ105号
JR武蔵小金井駅徒歩8分
駐車場:1台有
9:00~16:00
土日・祝日