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立ち上がり動作で麻痺側の足を使っていくポイント

8/8 更新

こんにちは!小金井のリハビリ施設,脳卒中リハビリセンターMOMOKAの沖野です.

今回は先日,㈱STROKE LAB様のハンドリングセミナーで教わった内容をまとめてみたいと思います!
内容は,「脳卒中片麻痺を呈された方が立ち上がる際に,足を置く位置の違いで左右の足にかかる荷重(体重)がどの程度変化するか」を研究した文献についてです.
今回の参考文献はこちら.

  • 『The effect of foot position and chair height on the asymmetry of vertical forces during sit-to-stand and stand-to-sit tasks in individuals with hemiparesis』PMID: 16540217 DOI: 10.1016/j.clinbiomech.2006.01.007       https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16540217/
  • vol.63:立ち上がり・着座動作における足部位置と高さによる影響 脳卒中/脳梗塞のリハビリ論文サマリー
    https://www.stroke-lab.com/speciality/5491

方法
慢性片麻痺のある 12 人の被験者に、次の足の位置で自然な速度で立ったり座ったりするよう依頼した。
(1) 自発的(自然な)位置・・・SP
(2) 対称な位置・・・S
(3) 麻痺側足部を後ろに引いた非対称な位置・・・AS-A
(4) 非麻痺側足部を後ろに引いた非対称な位置・・・AS-UA
力は、2つの力プレートを使用して各足と計器付きの椅子を使用して各大腿の下に記録。各足の位置は、脚の長さの100%と120%に相当する2つの椅子の高さでテストした。各条件について、垂直方向の力によって表される荷重の継続時間と非対称性が、4 つの異なるイベント、①タスクの開始時、②移行時(足と太ももの下にかかる力)、③着座時または着座時、④およびタスクの終了時について計算した。
結果

 タスクの実行時間は 2.31 秒から 3.69 秒の範囲で、立った状態から座るタスクの方が座って状態から立つタスクよりも時間を要した。全体として、垂直力の非対称性はタスクの中央部分で最も大きく、椅子の高さによる影響はみられなかった。被験者がまだ座面に接触している時点から、荷重の非対称性が生じていた。麻痺側の足が後方にある非対称な足の位置により、起立・着座両方の作業中に患側への負荷が促進された。

□Foot:足部   ■thighs:大腿
SP:自然な位置   S:対称な位置   AS-A:麻痺側足部を後ろに引いた非対称な位置   AS-UA:非麻痺側足部を後ろに引いた非対称な位置

解釈・結論

この研究は、立ち上がりのタスクと着座のタスクにおいて、それぞれ着座前と着座後に荷重の非対称性が存在することを示している。これは、麻痺側の足部を後ろに配置すると非対称性が減少するのに対し、非麻痺側の足部を後ろに配置すると非対称性が増加することを示している。臨床家がこれらの可動性タスクを評価またはトレーニングする際には、足の位置を考慮する必要がある。

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