こんにちは，脳卒中リハビリセンターMOMOKAの沖野です!

先日，体験リハビリに来られた方の施術で体験した事を書きたいと思います．

ご来店頂いた方は，脳出血で左半身に軽度の麻痺があり，左手の動きを良くしたいという希望がありました．

左手の状態を見せていただくと，左手〜前腕にかけてわずかに浮腫みがみられるものの，手指の分離運動は十分に行え，握力も左右差はみられません．指折りの運動をして頂いた際に，右手に比べ僅かに円滑さが落ちる程度でした．
ただ，ご利用者様の感覚としては，左手の触った感覚が右手に比べて鈍く，自転車のブレーキ操作などがしにくいとの事でしたので，
まずは左の前腕から手指にかけて触覚や圧覚刺激を十分に入れるアプローチを行いました．

また，触覚・圧覚刺激を入れると同時に，母指球筋や小指球，掌側・背側骨間筋，虫様筋などの硬さや皮膚・筋膜の滑走性低下を認めたため，マッサージで皮膚・筋膜・筋の伸張性を出し，手の立体的なアーチを再構築する事を目指しました．

また，動画配信コンテンツ「gene」の山本伸一先生の講義の中で仰っていた，手指の知覚を構成する重要な要素としての手指の副運動を他動で練習し，可動域の向上を図りました．

正味一時間程度のリハビリの後，ご利用者様の口から，「これは初めての感覚です．何だか，いつもより大分と動きが良くなった気がする．」と喜びの声が聞かれました．

客観的に見ても，手指の浮腫みや厚ぼったさが改善し，分離運動も良くなった気がします．

「リハビリをやってもらって良かった．次は足も見てほしい！」

と，とても嬉しく有り難いお言葉を頂きました．
私自身，施術を通して多くの事を学ばせて頂いた，大変貴重な体験でした．