脳卒中リハビリセンター
小金井のリハビリ施設
営業時間 | 9:00~18:00 ※日・祝日を除く |
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アクセス | 〒184-0004 東京都 小金井市 本町4-1-1 小金井ハイツ105 JR武蔵小金井駅 徒歩8分 駐車場:2台有 |
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2024/9/15更新
パーキンソン病は、特に高齢者に多い病気で、筋肉の震えや動作の遅れが主な症状として知られています。この病気は、脳の中にあるドパミンという神経伝達物質が減少することで引き起こされますが、最近の研究で腸内細菌がパーキンソン病に影響を与えている可能性があることがわかりました。
私たちの腸には、何兆もの細菌が住んでいて、これらは「腸内細菌叢」と呼ばれています。この腸内細菌叢が健康に大きな役割を果たしていることは広く知られていますが、最近の研究では、パーキンソン病の発症や進行にも関与している可能性が示されています。
日本を含む5か国の研究者が、パーキンソン病患者の腸内細菌叢を詳しく調べたところ、特定の細菌が減少していることがわかりました。この細菌は、ビタミンB2(リボフラビン)やビタミンB7(ビオチン)を合成する役割を持っています。これらのビタミンは、体内でエネルギーを作るために重要であり、特に神経の健康にとって欠かせないものです。
さらに、研究ではパーキンソン病患者の腸内で「短鎖脂肪酸」と「ポリアミン」という物質が少なくなっていることも発見されました。これらの物質は、腸の健康を守り、炎症を抑える働きをしています。特に短鎖脂肪酸は、腸内で善玉菌が食物繊維を分解して作られるものです。
短鎖脂肪酸やポリアミンが減少すると、腸のバリア機能が弱まり、腸の壁を通して有害物質が体内に入りやすくなります。これが原因で、脳に悪影響を与え、パーキンソン病の症状が進行する可能性があると考えられています。
では、腸内細菌の減少でビタミンB2やB7が不足するなら、これらを補充すればパーキンソン病の治療に役立つかもしれない、という考えが浮かびます。実際、研究者たちはビタミンB2やB7を補うことが、パーキンソン病の治療に効果的である可能性を示しています。これにより、パーキンソン病の新しい治療法が生まれるかもしれません。
パーキンソン病の原因はこれまで主に脳に注目されてきましたが、最新の研究では腸内細菌が深く関与している可能性が明らかになってきました。腸内細菌が作り出すビタミンや短鎖脂肪酸、ポリアミンが、パーキンソン病の進行に影響を与えているかもしれないという新しい発見です。今後、ビタミンB群の補充療法がパーキンソン病の治療に役立つことが期待されています。
このような研究が進むことで、腸内環境を整えることがパーキンソン病の予防や治療に貢献できる日も近いかもしれません。健康な腸を保つためにも、バランスの取れた食生活や適度な運動を心がけましょう。
参考文献
1. Nishiwaki, H., Ueyama, J., Ito, M., Hamaguchi, T., Takimoto, K., Maeda, T., Kashihara, K., Tsuboi, Y., Mori, H., Kurokawa, K., Katsuno, M., Hirayama, M., Ohno, K. (2024). *Meta-analysis of shotgun sequencing of gut microbiota in Parkinson’s disease*. npj Parkinson’s Disease. DOI:10.1038/s41531-024-00724-z.
2. 国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学. (2024). ビタミンB投与がパーキンソン病治療につながる可能性 〜腸内細菌叢解析から解明〜.
https://www.med.nagoya-u.ac.jp/medical_J/research/pdf/npj_240523.pdf
3. パーキンソン病と腸内細菌の関係についての最新研究報告. 名古屋大学医学部.
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