脳卒中リハビリセンター

小金井のリハビリ施設

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抗重力伸展活動を高めるという視点においての
骨盤前傾運動とは

2024/7/27更新

こんにちは。脳卒中リハビリセンターMOMOKAの沖野です。
今回は、リハビリ職向けの少し難しい内容となります。
今回のテーマは『抗重力伸展活動を高めるという視点においての骨盤前傾運動とは?』です。

クライアントの座位練習や立ち上がりの動作の練習をする際、骨盤を前傾(腰椎を伸展)させる事を練習・指導することが多いと思います。
この際、多裂筋などを操作して骨盤の前傾を誘導していくと思いますが、『ただ単に骨盤の前傾を誘導すれば良い』というわけではありません。

座位で骨盤前傾運動を行う目的とは?

座位で骨盤の前傾を誘導する目的は、抗重力伸展活動を高めることにあります。
基本的に動作全般を行う場合、身体の重心位置を高めておくと、運動の効率が高まるため、座位姿勢では骨盤を前傾させる事で重心位置を高めることを指導するわけです。

腰椎の過伸展(骨盤の過前弯)は重心位置を下げる

座位で骨盤の前傾を誘導する目的は、抗重力伸展活動を高めることにあります。
基本的に動作全般を行う場合、身体の重心位置を高めておくと、運動の効率が高まるため、座位姿勢では骨盤を前傾させる事で重心位置を高めることを指導するわけです。
ただし、過度に骨盤を前傾(腰椎を過伸展)させると、重心位置が下がります。
この点に注意が必要です。
座位練習を行う際は、つい骨盤前傾をいかに引き出すかに注意が向きがちですが、それだけでは抗重力伸展活動を高められたとは言えない訳です。

腹部の収縮が伴っているか?

さて、今回のテーマの肝に入ります。
ズバリ、抗重力伸展活動を高めるという視点で、骨盤前傾を誘導する際に注意すべきこととは....、
『腹部筋の収縮が伴っているか?』
です。
じつは、抗重力伸展筋には腹筋群も含まれます。

  • 内腹斜筋
  • 外腹斜筋
  • 腹横筋
  • 腹直筋

上記のような筋肉が骨盤前傾で同時に収縮を伴っているか確認することが重要です。

では、具体的な誘導についてです。

いろいろな方法がありますが、私は次の通り行います。

①セラピストはクライアントの正面に位置し、座位を取らせる。
②ASISの約2横指内側(腹斜筋)を母指で、大殿筋の上部線維からPSIS部付近を残りの4指(示指~小指)で把持する。
③骨盤前傾の方向へ誘導しながら、母指を外側斜め上方へ押し上げる。

上記手順で行うと、重心位置の上昇を伴いながら、骨盤前傾を誘導する事ができる場合が多いです。
一方、上記手順のデメリットとして、背側の脊柱起立筋の操作が難しい点があります。
まずは、評価で骨盤前傾の誘導を行い、重心位置が高まらない原因が腹筋群or脊柱起立筋群にあるのか、あたりをつけて、アプローチしていく事が重要であると考えます。

いかがだったでしょうか?
今回は、骨盤前傾操作のポイントを深堀りして述べてみました。
リハビリ進めていく上でのヒントになれば幸いです。

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