脳卒中リハビリセンター

小金井のリハビリ施設

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パーキンソン病に対して運動療法がもたらす効果とは?

2024/7/20更新

こんにちは!脳卒中リハビリセンターMOMOKAの沖野です。
今回は、『パーキンソン病に対する運動療法効果について』です。
海外の英語文献を翻訳して分かりやすくまとめました。
今回、参考にした文献はこちら。

『Role of Physical Activity in Parkinson's Disease』
Ketaki S. Bhalsing, Masoom M. Abbas, and Louis C. S. Tan
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6238554/

なぜこの文献を読もうと思ったか?

  • パーキンソン病に対して運動療法が有効であることは知られているが、具体的にどのような運動が有効と言われているのか学びたかったから。
  • パーキンソン病に対して、有酸素運動の効果がどの程度あるのかを学びたかったから。

パーキンソン病の改善に有効な運動とは?

結論からいきます。
本研究(システマティックレビュー)の中で報告されている、パーキンソン病に有効な運動は、
①有酸素運動  ②ダンス  ③太極拳  ④漸進的抵抗トレーニング(PRT)  ⑤ヨガ
などがあります。
1つずつ順を追って効果を説明します。

①有酸素運動

  • トレッドミルでのトレーニングを行うことで、歩行能力や運動機能を改善する可能性があると報告されている。(Mehrholz,Hermanらのレビューより)
  • 有酸素運動がパーキンソン病患者の運動動作、バランス、歩行速度、歩幅、歩行能力などの能力を有意に改善することが示唆された。(海風書タオ・ヤンユー・シシュン黄海東 江玲麗 顧建文 、 ヨンチン・クアンら) 

②ダンス

  • 治療的ダンスはPD患者の可動性とバランスを改善するのに有益である可能性があることが示されている。(Aguiarら)
  • ダンスで使用されるリズミカルな音楽が運動制御に関与するニューロン(神経)を活性化し、海馬、前頭葉、側頭葉、頭頂葉などの領域の血流を増加させる可能性があるという仮説が提唱されている。(Dhamiら)
  • 仮にこれらの仮説が正しければ、ダンスにより神経可塑性(病変する前の状態に戻る)が促進され、ひいては運動、バランス、および認知が改善される可能性が示唆されている。

③太極拳

  • 太極拳の有効性に関するメタアナリシスでは、太極拳がパーキンソン病患者の運動機能とバランス機能を著しく改善できることが示唆されている。
  •  伝統的な中国運動の効果に関するレビューでは、太極拳と気功の運動が軽度から中等度のパーキンソン病患者の運動機能とバランス機能を改善する効果があることが示された。(Yang Y,Li XY,Gong L, Zhu YL,Hao YLら)
  • 太極拳は安全で実行可能であり、PDの姿勢の安定性を改善できることが十分に証明されている。
  • 一方で、長期縦断研究が不足しているため、太極拳による利益の持続期間は不明である。

④漸進的抵抗トレーニング(PRT)

  • 漸進的抵抗トレーニング(PRT)は、パーキンソン病に対する比較的新しい介入である。
  • Saltychevらは、パーキンソン病における漸進的抵抗トレーニング(PRT)の効果に関する確固たるデータが不足していることを強調。
  • パーキンソン病患者の筋力と可動性に対するPRTの肯定的な効果を示した研究はほとんどない。
  • 一方で、有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせた介入は、より一層効果的であることが示唆されている。
  • パーキンソン病患者における漸進的抵抗トレーニング(PRT)の可能性に関する明確な臨床推奨を行うには、十分な追跡期間を伴う、より大きな規模の被験者数を伴う研究を行っていく必要がある。

※漸進的抵抗トレーニングとは:
筋力が向上するにつれて徐々に増加する抵抗に対して筋肉を鍛えるタイプの運動。

エクササイズマシン、フリーウェイト、または弾性バンドを使用して、中程度から高強度で週 2~3回行われる。

⑤ヨガ

  • ヨガは機能的可動性、バランス、上肢と下肢の柔軟性と筋力を適度に改善することが示唆されている。
  • 現在のエビデンスは、ヨガがパーキンソン病患者にとって有益で安全であることが示唆されている。
  • ただし、パーキンソン病患者に対するヨガ療法の長期的な影響と負荷設定(頻度や強度、タイミングなど)を定めるには、さらなる研究が必要。

本文献を読んでの感想

  • パーキンソン病に対するリハビリでは、関節可動域や筋力の維持・向上を主に考えることが多く、ダイナミックな運動は控える傾向があったが、本文献を読んでみて、有酸素運動のプログラムを積極的に取り入れてみようと感じた。
  • また、太極拳などのスロートレーニングも行ったことため、太極拳のプログラムを参考にしながら、リハビリでも実施してみたいと思った。

いかがだったでしょうか?
今回は、パーキンソン病に対しての運動療法の効果について、システマティックレビューをもとにまとめさせて頂きました。
お読み頂いた方々のリハビリの参考になれば幸いです。

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